
電力自由化で「新電力に切り替えれば電気代が安くなる」と聞いて興味を持ったものの、「デメリットはないの?」「切り替えて後悔しない?」と気になっている方も多いでしょう。
この記事では、電力会社の切り替えで起こりうる主なデメリットとリスクを正直にお伝えします。それぞれの対策も紹介しますので、安心して判断するための材料にしてください。
電力会社切り替えの5つのデメリット
デメリット1:料金比較が難しい
新電力の料金体系は会社・プランによって異なり、単純な比較が難しいのが実情です。基本料金、電力量料金の段階制、燃料費調整額の算定方法まで各社バラバラで、表面上の単価だけを見て「安い」と判断すると、実際の請求額で逆転することがあります。
たとえば、基本料金0円を謳うプランでも、電力量料金の単価が高く設定されていれば、使用量が多い月にはかえって割高になるケースがあります。また、燃料費調整額の計算方法が大手電力会社と異なる新電力も多いため、見かけの料金表だけでは正確な比較ができません。
対策:エネチェンジなどの比較サイトを使って、自分の使用量に基づいた年間の実質料金で比較しましょう。
デメリット2:市場連動型プランは価格変動リスクがある
Looopでんきのような市場連動型プランは、電力市場(JEPX)の価格に連動して料金が変動します。通常は安く使えることが多いのですが、電力需要が急増した場合に料金が大幅に上がるリスクがあります。
実際に2021年1月の寒波では市場価格が急騰し、通常月1万円程度の電気代が大幅に膨らんだという報告もありました。また、猛暑日の昼間や寒波到来時なども価格が高騰しやすい傾向にあります。
対策:価格変動リスクを避けたい場合は、固定単価型のプランを選びましょう。市場連動型を選ぶなら、価格が安い夜間や早朝に電気を使うなどの工夫が必要です。

デメリット3:新電力の撤退・倒産リスク
新電力は大小さまざまな企業が参入しており、経営状況によっては事業撤退や倒産のリスクがあります。2022年にはロシア・ウクライナ情勢による燃料費高騰の影響で、複数の新電力が事業撤退に追い込まれました。特に設立間もない小規模事業者や、電力事業が副業的な位置づけの企業は注意が必要です。
ただし、契約先の新電力が撤退しても電気が止まることはありません。地域の大手電力会社の「経過措置プラン」に自動的に引き継がれる仕組みが整っています。電気が使えなくなる心配はないものの、引き継ぎ後の料金は通常より割高になる傾向があるため、速やかに新しい電力会社を選び直す必要があります。
対策:契約前に運営会社の規模や実績、契約件数などを確認し、大手グループ企業や契約数の多い会社を選ぶと安心です。
デメリット4:解約金が発生する場合がある
多くの新電力は解約金なしですが、一部のプランでは契約期間の縛り(1〜2年)があり、途中解約で数千円〜1万円程度の解約金が発生することがあります。
特にキャンペーン適用中のプランは、解約時にキャンペーン分の返還を求められるケースもあるため要注意です。「初月無料」や「3か月間半額」といったキャンペーンでは、最低利用期間が設定されていることが多いです。
対策:契約前に解約条件を必ず確認し、解約金無料のプランを選ぶのがおすすめです。約款や重要事項説明書に記載されていますので、申し込む前に必ず目を通しておきましょう。特にWeb申し込み時の確認画面に表示される重要事項説明書は見落としがちですが、解約金や契約期間の情報が記載されている重要な書類です。
デメリット5:キャンペーン終了後に割高になることがある
初年度はキャッシュバックや大幅割引で安くなっても、2年目以降は通常料金に戻り、結果的に大手電力会社よりも高くなるケースがあります。キャンペーンの割引額に目を奪われて契約したものの、トータルでは損をしていたという例もあります。
対策:2年目以降の料金もシミュレーションに含めて比較しましょう。キャンペーン込みの料金ではなく、通常料金で安い会社を選ぶのが堅実です。
マンション一括受電契約の場合は、個別に電力会社を切り替えることができません。管理会社に契約形態を確認しましょう。
デメリットを踏まえても切り替えるべき?
上記のデメリットは事前に把握しておけば対策可能なものばかりです。一方で、切り替えによる電気代の節約効果は年間数千円〜1万円以上になるケースも多く、メリットのほうが大きいというのが一般的な見解です。
資源エネルギー庁の調査でも、電力自由化以降の切り替え率は年々上昇しており、2025年時点で一般家庭の電力切り替え率は約25%に達しています。多くの消費者がデメリットを理解したうえで切り替えを選んでいることが分かります。
特に2026年現在は、東京ガスやCDエナジーダイレクトといった大手企業グループの新電力が充実しており、経営基盤がしっかりした会社を選べる環境が整っています。撤退リスクを心配する方は、こうした大手系の新電力を候補にするとよいでしょう。解約金無料のプランを選んでおけば、万が一合わなくても気軽に元に戻せるので安心です。
- 毎月の電気代を少しでも安くしたい方
- ガスや通信とのセット割を活用したい方
- 楽天ポイントやdポイントなどを貯めたい方
- 契約の見直しに抵抗がない方
- オール電化の深夜電力プランを契約中の方(新電力に同等のプランが少ない)
- マンション一括受電契約の方(個別切り替え不可)
- 料金の変動リスクを一切取りたくない方

安全に切り替えるためのチェックリスト
切り替え前に以下のポイントを確認しておけば、後悔するリスクを大幅に減らせます。
- 自分の月間使用量を把握しているか
- 比較サイトで年間の実質料金をシミュレーションしたか
- 解約金や契約期間の縛りを確認したか
- キャンペーン終了後の通常料金を確認したか
- 運営会社の規模・実績を調べたか
- 供給エリアに自宅が含まれているか
- 燃料費調整額の計算方法を確認したか
このチェックリストをすべてクリアしていれば、安心して切り替えに進めます。
よくある質問
Q. 切り替えて失敗したら元に戻せる?
はい、いつでも元の電力会社に戻せます。解約金無料のプランであれば費用もかかりません。同じ手順で元の会社に申し込み直すだけです。切り替えに2週間〜1か月程度かかる点は同じですので覚えておきましょう。
Q. 新電力に切り替えると停電しやすくなる?
いいえ、停電リスクは変わりません。どの電力会社と契約しても同じ送電網(東京電力パワーグリッドなど送配電事業者が管理)を使うため、届く電気の品質は同じです。
Q. 電力会社の切り替え手続きは面倒?
非常に簡単です。検針票に記載のお客様番号と供給地点特定番号を用意し、新しい電力会社のWebサイトから申し込むだけ。所要時間は5〜10分で、現在の電力会社への解約連絡も不要です。
Q. 電力会社を頻繁に切り替えてもペナルティはない?
解約金無料のプランであれば、何度切り替えてもペナルティはありません。ただし、頻繁な切り替えは手間がかかるため、長期的に見てお得な会社を選ぶのがおすすめです。
Q. 燃料費調整額とは何?
燃料費調整額は、火力発電に使用する燃料(LNG・石炭・原油など)の価格変動を電気料金に反映させる仕組みです。燃料費が上がれば調整額がプラスに、下がればマイナスになります。新電力と大手電力会社では燃料費調整額の計算方法が異なる場合があるため、単価だけでなく調整額も含めた総額で比較することが重要です。
Q. 新電力に切り替えた場合、災害時の復旧に影響はある?
影響はありません。災害時の停電復旧作業は送配電事業者(東京電力パワーグリッドなど)が行います。どの電力会社と契約していても、復旧の優先順位に差がつくことはありません。
デメリットを避けるための電力会社の選び方
デメリットを最小限に抑えるための電力会社選びのコツをまとめます。
- 固定単価型プランを選ぶ:市場連動型の価格変動リスクを回避できます
- 大手企業グループの新電力を選ぶ:撤退・倒産リスクが低くなります(東京ガス、CDエナジーなど)
- 解約金無料を条件にする:合わなければすぐに戻せる安心感があります
- キャンペーン抜きの通常料金で比較する:長期的に本当にお得かどうかが分かります
- 比較サイトで複数社を一括シミュレーション:自分の使用量に合った最適な会社を見つけられます
資源エネルギー庁 電力自由化についても参考にしてみてください。

まとめ
電力会社の切り替えには、料金比較の難しさ・市場連動型の価格変動リスク・新電力の撤退リスク・解約金・キャンペーン後の料金上昇という5つのデメリットがあります。
しかし、いずれも事前に確認・対策ができるものばかりです。年間数千円〜1万円以上の節約効果を考えると、デメリットを理解したうえで切り替えを検討する価値は十分にあります。
実際に2016年の電力自由化以降、多くの消費者が新電力に切り替えて電気代の削減を実現しています。東京ガスやCDエナジーダイレクトなど大手グループの新電力を選べば、撤退リスクも最小限に抑えられます。まずは比較サイトで料金シミュレーションをして、本当にお得になるか確認してみましょう。

