「エアコンと電子レンジを同時に使うとブレーカーが落ちる」「電気代の基本料金をもう少し安くしたい」――そんなお悩みを解決するのが、電気の契約アンペアの変更です。
契約アンペアとは、家庭で同時に使える電気の上限を決める値のこと。アンペアが大きいほど同時に多くの家電を使えますが、基本料金も高くなります。逆にアンペアを下げれば基本料金は安くなりますが、ブレーカーが落ちやすくなるリスクがあります。
この記事では、電気の契約アンペアの変更方法、手続きの流れ、変更時の注意点をわかりやすく解説します。アンペアの変更を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

契約アンペアとは?基本料金との関係
契約アンペアは、電力会社と結ぶ電気契約で「一度に使える電気の量」を決めるものです。東京電力や中部電力など多くの電力会社では、10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aのいずれかから選択します。
アンペア数と基本料金
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの場合、アンペア数ごとの基本料金は以下のようになっています(記事執筆時点、最新の料金は公式サイトでご確認ください)。
- 20A:基本料金が低めで一人暮らし向き
- 30A:一人暮らしから二人暮らしの標準
- 40A:ファミリー世帯の標準
- 50A:家電が多い家庭やオール電化向き
- 60A:大家族やEV充電がある家庭
アンペアを1段階下げるだけで、月々の基本料金を数百円節約できるため、実際の電気使用量に合ったアンペア数を選ぶことが大切です。
基本料金はアンペア数に比例して上がります。30Aから20Aに下げれば基本料金は約3分の2に。ただし、同時に使える家電の数が制限されるため、生活スタイルに合ったアンペアを選びましょう。
アンペアを下げる方向で考えるなら、常時つないだままの機器を減らしておくと安心です。スイッチ付きの電源タップなら、使わない機器の通電を口ごとに切っておけます。
アンペア変更の手続き方法
契約アンペアの変更手続きは、電力会社ごとに若干異なりますが、基本的な流れは共通しています。
1. 電力会社に申し込む
契約アンペアの変更は、電力会社のWebサイト(マイページ)から簡単に申し込みできるケースが多いです。東京電力の場合は「くらしTEPCO web」にログインし、「ご契約内容の変更」から手続きできます。電話やカスタマーセンターでの申し込みも可能です。
2. 工事の実施(必要な場合)
スマートメーターが設置されている場合は、電力会社がリモートでアンペア数を変更してくれるため、立ち会い工事は原則不要です。申し込みから数日で変更が完了します。
ただし、スマートメーターが未設置の場合や、ブレーカーの交換が必要な場合は作業員が訪問しての工事が必要になります。その場合、15分から30分程度の立ち会いが求められます。
3. 変更完了・新料金の適用開始
変更後は、その日から新しいアンペアが適用されます。基本料金は日割り計算されるため、月の途中で変更しても損はありません。

アンペア変更にかかる費用
契約アンペアの変更にかかる費用は、基本的に無料です。東京電力をはじめとする多くの電力会社では、アンペア変更の手数料や工事費用を徴収していません。
ただし、以下のケースでは別途費用が発生する可能性があります。
- 分電盤の交換が必要な場合(古い分電盤で対応できないケースなど)
- 屋内配線の改修が必要な場合
- 集合住宅で配線容量の制限がある場合
費用が発生するかどうかは、電力会社に確認すれば事前に教えてもらえます。見積もりを取ったうえで判断しましょう。
アンペア変更時の注意点
年間契約のルールに注意
電気の契約は年間契約が基本であり、アンペア変更後1年間は再変更ができない場合があります。東京電力では原則として1年間の契約期間が設定されています。「とりあえず下げてみよう」と気軽に変更すると、1年間は元に戻せない可能性があるため、慎重に判断しましょう。
ブレーカーが落ちるリスク
アンペアを下げすぎると、複数の家電を同時に使った際にブレーカーが落ちやすくなります。とくに冬場の暖房シーズンや夏場のエアコン稼働時は消費電力が増えるため、余裕のあるアンペア数を選ぶことが重要です。
新電力ではアンペア変更ができないケースも
一部の新電力会社では、アンペア数の変更に対応していない場合があります。アンペアを変更したい場合は、旧一般電気事業者(東京電力・関西電力など)に戻すか、アンペア変更に対応している新電力に乗り換える必要があります。
関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力のエリアでは、従量電灯プランにアンペア制がなく「最低料金制」を採用しています。このエリアでは、アンペアの変更という概念がそもそもありません。

自分に合ったアンペア数の調べ方
最適なアンペア数を知るには、自宅で同時に使う家電の消費電力を合計してみましょう。
主な家電の消費電力の目安
主な家電のおおよその消費電力は以下のとおりです。
- エアコン:約6A(起動時は約14A)
- 電子レンジ:約15A
- IHクッキングヒーター:約14A(最大火力時)
- ドライヤー:約12A
- 洗濯乾燥機:約2A(乾燥時約13A)
- 炊飯器:約13A(炊飯時)
- 掃除機:約10A
これらを同時に使うタイミングを想定し、ピーク時の合計アンペアを超える契約アンペアを選ぶのが基本です。たとえば、エアコン(6A)+電子レンジ(15A)+照明(2A)を同時に使うなら、合計23Aなので30A以上の契約が必要です。
とはいえ、カタログ値と実際の消費電力は運転状況で変わります。手持ちの家電が実際に何Wを使っているかは、コンセントに挟むタイプのワットチェッカーで測ると数字で確認できます。
検針票やマイページで実績を確認
現在の電気の使い方を把握するには、毎月届く検針票や電力会社のマイページで使用量の推移を確認するのが手軽です。夏と冬のピーク時の使用量を基準にアンペア数を決めると、ブレーカーが落ちるトラブルを防げます。
アンペア変更に関するQ&A
Q. 賃貸マンションでもアンペア変更はできる?
賃貸物件でもアンペアの変更は可能ですが、マンション全体の電気容量に制限がある場合は上限が決まっていることがあります。変更前に大家さんや管理会社に確認しておくと安心です。退去時に元のアンペアに戻す必要があるかも確認しましょう。
Q. アンペア変更すると停電する?
スマートメーターでのリモート変更の場合、停電は発生しません。ブレーカー交換が必要な場合は、交換作業中の数分間だけ停電が発生する可能性があります。
Q. オール電化の場合、何アンペアが適切?
オール電化の家庭では、IHクッキングヒーターやエコキュートなど消費電力の大きな機器を使うため、50A以上の契約が一般的です。大家族のオール電化住宅では60Aでも足りないケースもあるため、実際の使用状況に応じて判断しましょう。

まとめ
電気の契約アンペアの変更は、電力会社のWebサイトやカスタマーセンターから簡単に申し込めます。スマートメーターが設置されていれば、リモートで変更が完了するため、立ち会い工事も不要です。費用も基本的には無料です。
ただし、年間契約のルールがあるため、変更後1年間は再変更できない場合があります。夏冬のピーク時を想定して、余裕のあるアンペア数を選ぶことがポイントです。
基本料金を下げたい方はアンペアを下げる、ブレーカーがよく落ちる方はアンペアを上げる、という判断が基本です。自宅の家電の消費電力を確認し、最適なアンペア数を見つけましょう。
参考リンク:東京電力 契約アンペアの選び方 / エネチェンジ 契約アンペア数の変更方法 / 東京ガス アンペア変更のお手続き


