EV(電気自動車)を購入したら、次に気になるのが充電にかかる電気代です。自宅でEVを充電する場合、契約している電力プラン次第で充電コストが大きく変わることをご存じでしょうか。
EVの充電は夜間に行うことが多いため、深夜帯の電力単価が安いプランを選べば、充電コストをかなり抑えられます。また、EV向けに特化した専用プランを提供している電力会社もあり、選択肢は広がっています。
この記事では、EV(電気自動車)オーナーにおすすめの電力プランの特徴や選び方、充電コストの目安についてわかりやすく解説します。ガソリン車との燃料費比較もあわせて紹介するので、EVの導入を検討している方もぜひ参考にしてください。

EVの充電にかかる電気代の目安
まずは、EVを自宅で充電した場合にかかる電気代の目安を確認しましょう。
充電コストの計算方法
EVの充電コストは「バッテリー容量 × 電力量料金単価」で大まかに計算できます。たとえば、バッテリー容量40kWhのEVを電力量料金30円/kWhで充電すると、フル充電1回で約1,200円です。航続距離が300kmとすると、1kmあたりの電気代は約4円になります。
一方、ガソリン車は1kmあたり約10円から15円程度(燃費15km/L、ガソリン170円/Lの場合)かかるため、EVの充電コストはガソリン代の3分の1から半額程度になる計算です。
深夜電力を活用した場合
深夜帯(23時から翌7時など)の電力単価が安い時間帯別プランを利用すれば、充電コストはさらに下がります。深夜の電力単価が15円/kWhのプランなら、40kWhのバッテリーをフル充電しても約600円。日中の半額以下で充電できるため、EVオーナーにとっては深夜充電が鉄板の節約術です。
EVの充電は、自宅の普通充電器(200V)で6時間から8時間程度かかります。夜間に充電を開始すれば、起きる頃にはフル充電が完了しているため、深夜電力プランとの相性が抜群です。
この「寝ている間に充電する」運用を回すうえで意外と効いてくるのが、ケーブルの取り回しです。車庫のコンセント位置と充電口の向きが合わないと、毎晩の抜き差しが地味なストレスになります。付属品とは別に、長さに余裕のある200V充電ケーブルを用意している方も少なくありません。
EV向け電力プランの種類と特徴
EVオーナー向けの電力プランは、大きく分けて以下の3タイプがあります。
1. 時間帯別料金プラン(夜間割引型)
夜間の電力量料金が安く設定されているプランです。EVの充電を夜間に行うことで充電コストを抑えられます。東京電力の「夜トク8」「夜トク12」や、大阪ガスの「ベースプラン」などが代表的です。
メリットは深夜充電のコスト削減ですが、デメリットとして日中の電力単価が割高になる点には注意が必要です。在宅勤務などで日中の電力使用量が多い家庭では、トータルで損をする可能性もあります。
2. EV専用プラン
EVオーナー向けに特化した電力プランも登場しています。代表的なのがオクトパスエナジーの「EVオクトパス」で、深夜1時から5時のEVナイトタイムと、昼11時から13時のEVデイタイムの2つの時間帯で電力量料金が安くなるのが特徴です。
EVオクトパスは東京ガスとイギリスのオクトパスエナジーの合弁会社が提供しており、実質的に再生可能エネルギー100%の電気が利用できる点も魅力です。解約手数料や違約金は不要で、初期費用もかかりません。
3. 基本料金0円プラン
Looopでんきのように基本料金が0円のプランは、使った分だけ支払う仕組みです。EVの充電量が月によって変動する方にとっては、基本料金の固定費がないぶん柔軟性が高いといえます。ただし、電力量料金の単価は時間帯によって変動するため(市場連動型)、充電タイミングを工夫する必要があります。

EV向け電力プランの選び方
自分に合ったEV向け電力プランを選ぶために、以下のポイントを確認しましょう。
充電する時間帯を把握する
EVの充電を主にどの時間帯に行うかによって、最適なプランは変わります。夜間に充電することが多い方は深夜割引型プラン、日中も充電する可能性がある方はEV専用プランが向いています。
家庭全体の電力使用パターンを考慮する
EVの充電だけでなく、家庭全体の電力使用パターンも考慮することが大切です。日中に家族が在宅で電気をたくさん使う家庭では、夜間が安くても日中が高いプランだとトータルで割高になるケースがあります。エネチェンジなどの比較サイトで、家庭全体の電気代をシミュレーションしてから判断しましょう。
太陽光発電・蓄電池との併用を検討する
太陽光発電を設置している家庭なら、日中の余剰電力でEVを充電することもできます。さらに蓄電池を組み合わせれば、太陽光で発電した電気を蓄電池経由でEVに充電するV2H(Vehicle to Home)の運用も可能です。
解約金・違約金の有無を確認する
電力プランによっては、最低利用期間が設定されており、期間内の解約で違約金がかかる場合があります。EVオクトパスやLooopでんきなど、解約金・違約金なしのプランなら、試しに契約して合わなければ気軽に乗り換えられます。
EV向けプランは「EVの充電コスト」だけでなく「家庭全体の電気代」で比較しましょう。EVの充電が安くても、家庭の日中使用分が高くなって、トータルで損をするケースもあります。
自宅充電設備の準備
EVの充電を自宅で行うには、充電設備の設置が必要です。
普通充電器(200V)の設置
自宅でのEV充電は、200Vの普通充電器が一般的です。設置費用は工事内容にもよりますが、おおむね5万円から15万円程度が相場です。分電盤からの配線距離や、ブレーカーの空き具合によっても費用は変動します。
屋外に充電設備を置く場合、気になるのがケーブルの盗難やいたずらです。充電中にコネクタを固定しておけるロックや、コンセント部分を施錠できるタイプのアイテムを併用している方もいます。高価なケーブルを外に出しっぱなしにするなら、あわせて検討しておきたいところです。
契約アンペアの見直し
EVの充電には大きな電力が必要になるため、現在の契約アンペアでは足りないケースがあります。たとえば、30Aの契約で3kWの充電器を使うと、他の家電と同時に使った際にブレーカーが落ちるリスクがあります。EVを導入する際は、50A以上への契約アンペア変更を検討しましょう。

EVと電力プランに関するQ&A
Q. マンションでもEVの自宅充電はできる?
マンションでのEV充電は、共用部分に充電設備が設置されていれば可能です。近年は新築マンションにEV充電設備を標準装備する物件も増えています。既存マンションの場合、管理組合の承認が必要ですが、国の補助金を活用して充電設備を導入するケースも出てきています。
Q. 外出先の急速充電と自宅充電、どちらが安い?
一般的に、自宅充電のほうがコストは安くなります。公共の急速充電スポットは利用料金が1分あたり数十円かかり、フル充電すると2,000円前後になるケースもあります。自宅の深夜電力プランなら600円から800円程度で済むため、日常の充電は自宅で行うのがお得です。
とはいえ遠出のときは持ち出すことになるので、太いケーブルをそのままトランクに放り込むと荷室が汚れがちです。専用の収納バッグに入れておくと、雨の日に濡れたまま積む場面でも扱いやすくなります。
Q. EVの充電で電気代はどのくらい増える?
月間走行距離1,000kmの場合、EVの充電にかかる電気代は月額2,000円から4,000円程度が目安です。深夜プランを活用すれば月額1,500円程度に抑えることも可能です。ガソリン代(同距離で月7,000円から10,000円程度)と比べると、かなりの節約になります。
まとめ
EV(電気自動車)の充電コストは、契約する電力プランによって大きく変わります。深夜電力が安い時間帯別プランやEV専用プランを活用すれば、ガソリン車と比べて燃料費を大幅に削減できます。
プラン選びのポイントは、充電する時間帯と家庭全体の電力使用パターンを考慮すること。EVの充電コストだけでなく、家庭全体の電気代でトータルに比較することが大切です。
EVの導入を検討している方は、まず現在の電力プランを確認し、EV向けプランへの切り替えでどのくらい節約できるかシミュレーションしてみてください。充電設備の設置費用や契約アンペアの変更も含めて、トータルコストで判断しましょう。
参考リンク:エネチェンジ EV向け電力プラン / GoGoEV 充電スポット検索 / オクトパスエナジー EVオクトパス


