オール電化にしたのに、思ったより電気代が高くて驚いたことはないでしょうか。ガス代がかからないぶん光熱費は安くなるはず、と期待して導入したのに、毎月の請求額を見て「こんなはずじゃなかった」と感じている方は少なくありません。
実はオール電化住宅には、電気の使い方ひとつで大きく差がつくポイントがいくつもあります。ちょっとした工夫を積み重ねるだけで、年間で数万円単位の節約も十分に現実的です。
この記事では、オール電化住宅で電気代が高くなる原因を整理し、今日からすぐ実践できる節約方法を具体的に紹介します。

オール電化住宅の電気代平均はどのくらい?
まずは自分の家の電気代が高いのかどうか、相場を知っておくことが大切です。オール電化住宅の電気代の月額平均は、世帯人数によって以下のように変わります。
- 1人暮らし:約9,000〜11,000円/月
- 2人暮らし:約12,000〜14,000円/月
- 3人世帯:約14,000〜16,000円/月
- 4人世帯:約15,000〜18,000円/月
ガス併用住宅の場合、電気代に加えてガス代が月3,000〜6,000円ほどかかるため、光熱費トータルではオール電化のほうがお得になるケースが多い傾向にあります。ただし、オール電化は冬場の電気代が特に高くなりやすいという特徴があります。エコキュートや暖房の稼働が増える冬場は、春・秋と比べて1.5倍近くに跳ね上がることも珍しくありません。
オール電化はガス代がゼロになるため、「電気代だけ」で見ると高く感じがちです。光熱費全体で比較すれば、多くの家庭で節約になっています。
オール電化で電気代が高くなる原因
節約のコツを知る前に、まずは電気代が高くなりがちな原因を押さえておきましょう。原因がわかれば、対策もおのずと見えてきます。
エコキュートの稼働が非効率になっている
エコキュートは、電気料金が安い深夜帯にお湯を沸かして貯めておく仕組みです。ところが、日中にお湯が足りなくなって追加で沸き増しをすると、割高な昼間の電気を使うことになり、電気代が跳ね上がります。
また、タンクの設定温度が必要以上に高かったり、使わないのに常にたっぷりのお湯を沸かしていたりすると、ムダな電力消費につながります。
暖房にエアコンだけを頼っている
オール電化住宅ではガスファンヒーターが使えないため、暖房はエアコンや電気ヒーターが中心になります。エアコンの暖房は冷房よりも電力を消費しやすく、設定温度を上げすぎると大幅にコストがかさみます。
そのため、寝るときや机に向かうときなど部屋全体を暖める必要がない場面では、電気毛布やひざ掛けで体のまわりだけを暖める方法を取り入れている家庭もあります。
IHクッキングヒーターの使い方が非効率
IHクッキングヒーターは火力が強く調理時間は短縮できますが、最大火力で長時間使い続けると電気代に影響します。使用する鍋の底が汚れていたり、サイズが合っていなかったりすると、加熱効率が下がって余計な電力を消費します。
電力プランが合っていない
オール電化向けの料金プランは、深夜が安く昼間が高い時間帯別料金が一般的です。ところが、日中に在宅時間が長い家庭では、昼間の割高な時間帯に電気を多く使うことになり、かえって割高になるケースがあります。

今日からできるオール電化の電気代節約方法
ここからは、具体的な節約方法を項目ごとに解説します。どれもすぐに取り組めるものばかりなので、気になるところから試してみてください。
エコキュートの設定を見直す
エコキュートの設定見直しは、オール電化の節約で最も効果が大きいポイントです。以下の点をチェックしましょう。
- お湯の沸き上げ温度を下げる:冬場は高め、夏場は低めに設定を変えるだけで、年間を通じた消費電力を抑えられます
- 沸き上げモードを「おまかせ」や「省エネ」に設定:過去の使用実績からお湯の量を自動調整するモードを活用することで、ムダな沸き上げを防げます
- 昼間の沸き増しを減らす:ピーク時間帯に沸き増ししないよう、夜間にしっかり沸かしておく設定にしましょう
- 旅行・外出時は「休止モード」にする:不在時にお湯を沸かし続けるのはもったいないので、リモコンで休止設定にしておきましょう
エコキュートの電気代は月額で約2,000〜5,000円程度とされており、設定の見直しだけで月500〜1,000円程度の節約が見込めます。
お風呂の使い方を工夫する
給湯にかかる電力は家庭全体の消費電力の中でも大きな割合を占めています。お風呂まわりの工夫は節約効果が高いポイントです。
- 追い焚きをなるべく減らす:家族が入る間隔を短くして、お湯が冷めないうちに続けて入浴するのがおすすめです
- 浴槽にフタをする:入浴しないときはフタをして、お湯の温度低下を防ぎましょう。保温にかかる電気代を大幅に削減できます
- シャワーはこまめに止める:シャワーを1分間流しっぱなしにすると約12リットルのお湯を消費します。こまめに止めるだけで節約になります
- 湯量を適切に設定する:浴槽に必要以上のお湯を張らないよう、適切な湯量を設定しましょう
浴槽のフタが古くなって隙間ができている場合は、保温力の高いタイプに買い替えるだけでもお湯の冷めにくさが変わります。
エアコンを効率よく使う
エアコンは家庭の消費電力全体の約14.7%を占める、電気代に大きく影響する家電です。使い方ひとつで節約額が変わります。
- 冬の設定温度は20℃を目安に:設定温度を1℃下げるだけで消費電力は約10%減るとされています
- フィルターは2週間に1回掃除する:フィルターにホコリがたまると風量が落ち、余計な電力を消費します。こまめな掃除で効率を保ちましょう
- 風量は「自動」に設定する:手動で「弱」にするよりも、自動のほうが効率よく温度を調整してくれます
- 室外機の周りに物を置かない:室外機が塞がれると熱交換の効率が下がり、消費電力が増えます
- サーキュレーターを併用する:暖かい空気は天井付近にたまりやすいため、サーキュレーターで空気を循環させると、体感温度が上がり設定温度を下げられます

IHクッキングヒーターの電気代を抑えるコツ
IHクッキングヒーターの月額電気代は4人家族で約1,170円、年間では約14,000円が目安です。以下のポイントを意識するだけで、さらに抑えられます。
- 鍋底を清潔に保つ:汚れがあると加熱効率が落ちるため、鍋底はこまめに拭き取りましょう
- 鍋のサイズをヒーターに合わせる:小さい鍋を大きなヒーターで使うと、熱が逃げてムダが発生します
- 余熱を活用する:IHは電源を切ってもしばらく余熱が続きます。仕上げの段階で電源を切って余熱調理をすれば、その分の電気代が浮きます
- フタを使って加熱時間を短縮する:煮込み料理などはフタをして、熱を逃がさないようにしましょう
手持ちの鍋がIHに対応していなかったり、底が反って接地が甘くなっていたりする場合は、IH対応の鍋に替えると加熱効率の面で扱いやすくなります。
電力プランの見直し
オール電化住宅向けの料金プランは、電力会社によって内容が異なります。深夜帯の料金が特に安いプランを選ぶのが基本ですが、ライフスタイルの変化に合わせて定期的に見直すことも大切です。
- 日中の在宅時間が増えた場合は、時間帯別ではなく均一料金のプランが向いている可能性があります
- 電気の使用量が多い家庭は、使用量が増えるほど単価が安くなる従量電灯型のプランが有利な場合もあります
- 電力比較サイト(エネチェンジなど)を使えば、自分の使用量に合ったプランを簡単に比較できます
プランの切り替えは基本的に無料で、Web上から5〜10分程度で申し込めます。工事も不要なケースがほとんどです。
太陽光発電との組み合わせ
オール電化と太陽光発電の組み合わせは、電気代の節約効果をさらに高めてくれます。昼間に自家発電した電気を使えば、割高な昼間の電力を電力会社から買わなくて済みます。
さらに、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入すれば、天候予測に基づいてエコキュートの沸き上げ時間を自動で最適化してくれるので、太陽光で発電した電力を効率よく給湯に回すことが可能です。
蓄電池を併設すれば、昼間に余った電力を夜間に使うこともできるため、電力の自給率がさらに高まります。
住宅の断熱性能を上げて光熱費を根本から抑える
電気の使い方を工夫するだけでなく、住宅そのものの断熱性能を高めることで、冷暖房にかかる電力を根本的に減らすことができます。
- 窓の断熱対策:窓は住宅の中で最も熱が逃げやすい場所です。内窓の設置や断熱フィルムの貼り付けが効果的です
- カーテンの見直し:遮熱・断熱カーテンに変えるだけでも、窓からの熱の出入りを抑えられます
- 床の断熱:床下からの冷気を遮断するために、ラグやカーペットを敷くだけでも体感温度が変わります
内窓の設置までは踏み切れない場合でも、窓ガラスに貼るタイプの断熱シートなら賃貸でも取り入れやすく、まず試してみる方が多いようです。
窓のリフォームは費用がかかりますが、自治体によっては断熱リフォームの補助金制度を利用できる場合があります。お住まいの自治体の補助金情報を確認してみましょう。
Q&Aコーナー:オール電化の電気代節約でよくある疑問
Q. オール電化にするとガス併用より本当に安くなる?
多くの家庭でガス併用より光熱費全体は安くなる傾向があります。ただし、日中に在宅時間が長い家庭や、少人数世帯では差が小さくなることもあります。自分の生活パターンに合わせて比較することが大切です。
Q. エコキュートの「おまかせモード」と「省エネモード」はどちらがいい?
基本的には「省エネモード」のほうが消費電力は抑えられます。ただし、来客時などお湯の使用量が増える日は「おまかせモード」にして湯切れを防ぐのが安心です。状況に応じて切り替えましょう。
Q. 電力会社を変えるだけで安くなる?
電力会社によって基本料金や従量料金の単価が異なるため、プランの見直しだけで月数百円〜千円以上の節約が見込めるケースは珍しくありません。切り替えは無料で工事も不要なので、気軽に検討できます。
Q. オール電化で太陽光なしでも節約できる?
太陽光発電がなくても、エコキュートの設定見直し、エアコンの効率的な使い方、電力プランの最適化など、やれることはたくさんあります。まずは今の使い方を見直すだけでも効果は出ます。

まとめ
オール電化住宅の電気代を節約するためのポイントを振り返りましょう。
- エコキュートの設定見直しが最も効果が大きい(省エネモード・適切な湯温設定・昼間の沸き増し抑制)
- お風呂の追い焚きを減らし、浴槽のフタやシャワーのこまめな停止で給湯コストを削減
- エアコンはフィルター掃除・風量自動・サーキュレーター併用で効率アップ
- IHは鍋のサイズを合わせ、余熱調理を活用する
- 電力プランは定期的に見直し、ライフスタイルに合ったものを選ぶ
- 住宅の断熱対策で冷暖房効率を根本から改善
- 太陽光発電やHEMSとの連携で、さらなる節約が可能
ひとつひとつの効果は小さく見えても、組み合わせれば年間で数万円の節約につながります。まずはできるところから始めてみましょう。
参考サイト:


