「電力会社って選べるの?」「新電力に変えても大丈夫?」そんな疑問を持つ方は少なくない。2016年の電力自由化から10年が経過し、今では700社以上の電力会社から自分に合ったプランを選べる時代になっている。
この記事では、電力会社選びが初めての方にもわかりやすいように、電力自由化の基本から選び方のポイント、切り替えの手順まで丁寧に解説する。難しい専門用語はできるだけ避けて、シンプルにお伝えするのでぜひ最後まで読んでほしい。

そもそも電力自由化とは?初心者向けにわかりやすく解説
電力自由化とは、消費者が自由に電力会社を選べるようになった制度のこと。2016年4月に家庭向けの電力小売が全面自由化され、それまで各地域の電力会社(東京電力、関西電力など)しか選べなかった状況が一変した。
電力自由化で何が変わった?
- 選択肢が増えた:ガス会社、通信会社、石油会社などさまざまな業種から電力が販売されるようになった
- 料金プランが多様化した:基本料金ゼロのプランや、時間帯別の料金プラン、再生可能エネルギー100%のプランなどが登場
- ポイント還元やセット割が充実:ガスとのセット割、携帯とのセット割、ポイント還元など特典が豊富に
新電力に変えても電気の品質は変わらない
初心者の方がもっとも心配するのが「新電力に変えたら停電しやすくなるのでは?」という点だろう。しかし、どの電力会社を選んでも電気の品質(安定性・安全性)はまったく同じだ。
電気は各地域の送配電事業者(東京電力パワーグリッドなど)が管理する同じ送電線を通って届けられる。新電力を選んでも、送配電の仕組みは変わらないので停電リスクが増えることはない。

電力会社を選ぶときの5つのチェックポイント
電力会社選びが初めての方は、以下の5つのポイントを押さえておけば失敗しにくい。
ポイント1:電気料金の単価を比較する
電気料金は「基本料金」と「従量料金(電力量料金)」の2つで構成されている。自分の使用量に合わせて、毎月いくらになるかシミュレーションするのが大切だ。
使用量が少ない一人暮らしなら基本料金ゼロのプラン、使用量が多いファミリーなら従量料金の単価が安いプランが有利になる傾向がある。
「自分がどちらのタイプか」を確かめるには、検針票の合計に加えて家電ごとの消費電力を見ておくとわかりやすい。コンセントに挟むだけで測れる機器を使う人もいる。
ポイント2:セット割や特典を確認する
ガスや携帯電話とのセット割、ポイント還元など、電気料金以外のお得な特典がある場合がある。たとえば楽天でんきなら楽天ポイントが貯まり、auでんきならPontaポイントが還元される。自分が日常的に使うサービスと組み合わせると効果的だ。
ポイント3:解約金・違約金の有無をチェックする
新電力の多くは解約金がかからないが、一部のプランでは最低契約期間が設けられていて、期間内の解約で違約金が発生する場合がある。解約金ゼロの会社を選べば、合わなかった場合も気軽に乗り換えられる。
ポイント4:料金体系の種類を理解する
電力会社の料金体系には大きく分けて以下のタイプがある。
- 固定単価型:電気の使用量に関わらず単価が一定。わかりやすくて家計の見通しが立てやすい
- 段階料金型:使用量が増えるほど単価が上がる(または下がる)仕組み。大手電力の従量電灯がこのタイプ
- 市場連動型:電力の市場価格に応じて30分ごとに料金が変動する。安い時間帯に使えばお得だが、高騰リスクもある
初心者の方には、料金がわかりやすい「固定単価型」や「段階料金型」がおすすめだ。市場連動型は電気の使い方を工夫できる中級者以上向けといえる。
ポイント5:サポート体制を確認する
困ったときに相談できるかどうかも大切なポイントだ。電話サポートの有無、チャット対応の時間帯、マイページの使いやすさなどをチェックしておこう。大手ガス会社系の電力は、対面の店舗窓口がある場合もある。

電力会社の切り替え手順|初心者でも5分で完了
「手続きが面倒そう」と思っている方も安心してほしい。電力会社の切り替えは、Webから5分程度で申し込みが完了する。工事も不要で、日常生活に影響はない。
ステップ1:検針票を用意する
現在の電力会社から届いている検針票(電気ご使用量のお知らせ)を手元に用意する。必要な情報は「お客さま番号」と「供給地点特定番号」の2つだ。検針票が見当たらない場合は、現在の電力会社のマイページでも確認できる。
ステップ2:乗り換え先の公式サイトで申し込む
乗り換え先の電力会社の公式サイトにアクセスし、申し込みフォームに必要事項を入力する。氏名、住所、現在の契約情報、支払い方法(クレジットカードまたは口座振替)を入力すれば完了だ。
ステップ3:あとは待つだけ
現在の電力会社への解約手続きは不要で、乗り換え先が代行してくれる。申し込みから約2週間〜1ヶ月で切り替えが完了する。スマートメーターの設置が必要な場合も無料で、立ち会い不要だ。
初心者にもわかりやすい電力会社の選択肢
「どこを選べばいいかわからない」という初心者の方に向けて、わかりやすい料金体系と安心感のある電力会社をいくつか紹介する。料金の詳細は各社の公式サイトで確認してほしい。
東京ガスの電気
ガスと電気をまとめるとセット割で電気料金が割引になる。大手ガス会社の安心感と、対面の店舗窓口があるサポート体制が初心者に向いている。関東エリア対応。
CDエナジーダイレクト
中部電力と大阪ガスの合弁会社で、関東エリアで電気とガスのセット契約を提供。料金プランが豊富で、一人暮らし向け・ファミリー向けなど使用量に合わせて選べる。契約実績90万件超の実績がある。
楽天でんき
楽天ユーザーにとってはポイントが貯まる&使えるのが魅力。料金単価が一律でわかりやすい。楽天市場をよく使う方なら、ポイント還元の恩恵を受けやすい。
オクトパスエナジー
イギリス発の電力会社で、シンプルな料金体系が特徴。新規契約キャンペーンや友達紹介キャンペーンが充実しており、解約金もかからない。初めての切り替えで「まず試してみたい」という方に向いている。
電力会社を選ぶときは、料金だけでなく「供給エリア」も確認しよう。新電力の中にはエリアが限定されているところもある。
電力会社選びで初心者がやりがちな失敗
失敗1:料金表だけで判断してしまう
「月額〇〇円お得!」という表示だけで飛びつくと、想定使用量と違って実際にはお得にならないことがある。自分の使用量でシミュレーションしてから判断するのが鉄則だ。
失敗2:市場連動型プランのリスクを知らずに契約する
市場連動型プランは電気が安い時間帯があるため魅力的に見えるが、電力の市場価格が高騰した場合は電気代が跳ね上がるリスクがある。初心者はまず固定単価型のプランから始めるのが無難だ。
失敗3:切り替えを先延ばしにする
「調べるのが面倒」と先延ばしにしている間に、毎月余分な電気代を払い続けていることになる。切り替え手続き自体は5分で終わるので、まずは行動してみることが大切だ。
電力会社の切り替えでよくある質問
Q. 新電力が倒産したら電気は止まる?
新電力が倒産しても電気が突然止まることはない。送配電事業者が引き続き電気を届けてくれるので、その間に別の電力会社と契約すれば問題ない。
Q. 切り替えに工事は必要?
基本的に工事は不要だ。スマートメーターの設置が必要な場合も、送配電事業者が無料で交換してくれる。
Q. 賃貸でも電力会社を変えられる?
賃貸でも個別に電力会社を選べる。ただし、マンション全体の一括受電契約の場合は変更できないので、管理会社に確認しよう。
Q. 何度も乗り換えてもいいの?
電力会社の乗り換え回数に制限はない。最初に選んだ会社が合わなければ、また別の会社に乗り換えることができる。解約金がない会社を選んでおけば、気軽に試せる。

まとめ|電力会社選びは初心者でもカンタン
電力会社の選び方は、ポイントさえ押さえればそれほど難しくない。検針票を用意してWebで5分申し込むだけで、毎月の電気代が安くなる可能性がある。
初心者の方は、まず以下のステップから始めてみよう。
- 検針票で現在の使用量を確認する
- 各社の公式サイトで料金シミュレーションをする
- 解約金がない会社を選んで申し込む
電力自由化の恩恵を受けて、電気代を賢く節約していこう。
電力会社を選ぶ前に知っておきたい基礎知識
「kWh(キロワットアワー)」って何?
電気料金の計算に使われる単位で、1kWhは1,000W(1キロワット)の電気を1時間使った量を表す。たとえばエアコン(約600W)を5時間使うと約3kWhになる。検針票に記載されている「使用量〇〇kWh」がこの数値だ。
この計算を見るとわかるとおり、kWhを左右するのは稼働時間。エアコンの運転時間を短くしたい人向けに、窓からの熱の出入りを抑えるシートが選ばれている。
「基本料金」と「従量料金」の違い
基本料金は電気を使わなくても毎月かかる固定費で、契約アンペア数によって決まる。従量料金は実際に使った電気量に応じてかかる変動費。電力会社を比較するときは、両方を合わせた総額で判断することが大切だ。
「燃料費調整額」とは
原油やLNG(液化天然ガス)の価格変動を電気料金に反映する仕組みのこと。燃料価格が上がると電気料金に上乗せされ、下がると減額される。どの電力会社でも同じ仕組みが適用されるが、反映の仕方は会社によって異なる場合がある。

初心者が電力会社を選ぶときの具体的な比較方法
比較サイトを活用する
エネチェンジなどの電力比較サイトでは、郵便番号と現在の使用量を入力するだけで、自分のエリアで最安の電力会社をすぐに見つけることができる。料金シミュレーションの結果には、年間の節約額も表示されるので非常にわかりやすい。
公式サイトのシミュレーション機能を使う
各電力会社の公式サイトにも料金シミュレーション機能が用意されている。比較サイトで候補を絞ったあと、公式サイトでより詳しいシミュレーションを行うとよいだろう。



