二人暮らしを始めると、一人暮らしのときと比べてガス代がどのくらい変わるのか気になるもの。同棲や新婚生活では生活リズムが違う2人がお風呂やキッチンを共有するため、ガスの使い方によって月々の請求額に大きな差が出る。「思ったよりガス代が高い」と感じるカップルや夫婦は意外と多い。
この記事では、二人暮らしのガス代の全国平均を季節別・地域別に紹介し、都市ガスとプロパンガスの料金差、一人暮らしからの変化、そして今日から実践できる節約術まで幅広くまとめている。光熱費を少しでも抑えたいと考えている二人暮らしの方は、ぜひ参考にしてほしい。

二人暮らしのガス代の平均額はいくら?
総務省統計局の「家計調査」(2025年平均)によると、二人暮らし(2人世帯)のガス代の平均は月額約4,663円で、年間に換算すると約55,956円になる。一人暮らし(単身世帯)の平均(月約2,999円)と比較すると約1,664円高くなっているが、1人あたりに換算すると約2,332円となり、一人暮らしより効率的にガスを使えていることがわかる。
ただし、この平均額は都市ガスとプロパンガスの利用者を合算した全国平均であるため、ガスの種類によって実際の負担は大きく異なる。都市ガスの場合は月3,500円から5,000円程度、プロパンガスの場合は月6,000円から9,000円程度が二人暮らしの相場だ。プロパンガスは都市ガスの約1.5倍から2倍の料金になることが一般的で、ガスの種類を確認しないまま「高い」と悩んでいるケースも多い。
二人暮らしの光熱費全体に占めるガス代の割合は約20%から25%程度。電気代(約50%から55%)に次ぐ大きな支出であり、年間約56,000円近い出費になるため、しっかり見直す価値がある。
二人暮らしでも1人あたりのガス代は一人暮らしより安くなる。これはお風呂の追い焚きを共有したり、調理をまとめて行ったりすることで、ガスの無駄が減るためだ。
季節別に見る二人暮らしのガス代
ガス代は季節によって大幅に変動する。特に冬場は給湯に使うエネルギーが増えるため、夏の2倍近い金額になることもある。
冬(1月から3月):年間で最も高い時期
冬場の二人暮らしのガス代平均は月6,000円から8,000円程度で、年間最高額になる。水道水の温度が5℃から10℃程度まで下がるため、40℃のお湯を沸かすのに必要なエネルギーが夏場の1.5倍以上になることが主な原因だ。特に、毎日湯船にお湯を溜めて2人で入る家庭では、1回の入浴で使うガス量がかなり多くなる。お湯張りと追い焚きを合わせると、1日あたりのガス代が200円を超えることも珍しくない。
先に入った人と後の人の間隔が空いてしまう家庭では、浴槽に浮かべる保温シートで湯温の下がり方をゆるやかにする方法がよく使われている。
春(4月から6月):落ち着く時期
気温と水温の上昇に伴い、給湯に必要なエネルギーが減少する。二人暮らしのガス代は月3,500円から5,000円程度に落ち着く。ガス会社やプランの見直しをするならこの時期が最適だ。
夏(7月から9月):年間で最も安い時期
夏場は水温が高いため給湯にかかるエネルギーが最小になり、二人暮らしのガス代は月2,500円から4,000円程度まで下がる。シャワーだけで済ませるケースが増えることも、ガス代が下がる要因のひとつだ。
秋(10月から12月):徐々に上昇
10月から11月は月3,500円から5,000円程度。12月後半から水温が急激に下がるため、ガス代も上昇に転じる。冬場の高騰に備えて、この時期にガスの使い方を見直しておくのがおすすめだ。

一人暮らしから二人暮らしになるとガス代はどう変わる?
一人暮らしから二人暮らしになった場合、ガス代の増加額は生活スタイルによって異なるが、一般的には月1,500円から2,000円程度の増加が見込まれる。ただし単純に2倍にはならない。
増加が抑えられる理由としては、お風呂のお湯を2人で使い回せること、調理を2人分まとめて行えること、暖房(ガスファンヒーターなど)を共有できることなどが挙げられる。逆に、2人の入浴時間がバラバラで追い焚きが頻繁に必要になるケースでは、ガス代の増加が大きくなりやすい。
入浴のタイミングをできるだけ近づけることで、追い焚きの回数を減らし、ガス代の無駄を防ぐことができる。2人の帰宅時間が大きく異なる場合は、後から入る人がシャワーにするなどの工夫も効果的だ。
二人暮らしのガス代が高くなる原因
平均より高いと感じたら、以下の原因をチェックしてみよう。
追い焚きを頻繁に使っている
2人の入浴時間が大きく離れていると、お風呂の温度が下がって追い焚きが必要になる。追い焚き1回あたりのガス代は約80円から100円程度で、毎日追い焚きをすると月2,400円から3,000円の出費になる。お風呂の時間をなるべく近づけるか、保温シートやふたを活用してお湯の温度低下を防ぐのが有効だ。
プロパンガスの従量単価が割高
プロパンガスは自由料金制のため、ガス会社によって従量単価が大幅に異なる。石油情報センターの全国平均と比較して、従量単価が20%以上高い場合はガス会社の変更を検討しよう。比較サービスのエネピ(https://enepi.jp/)を使えば、自分の地域で安いガス会社を無料で見つけることができる。
給湯器の設定温度が高い
給湯器の温度設定を必要以上に高くしていると、ガスの消費量が増える。食器洗いなら37℃前後、シャワーなら38℃から40℃で十分なケースが多い。季節に応じて設定温度をこまめに調整することで、月数百円の節約になる。
調理でガスを大量に使っている
自炊の頻度が高く、煮込み料理や揚げ物など長時間の加熱を伴う調理を頻繁に行っている場合、ガスの消費量がかさむ。電子レンジや圧力鍋の活用、まとめ調理による加熱回数の削減が効果的だ。
ガス代の請求書には「基本料金」「従量料金」「原料費調整額」が含まれている。節約効果を正しく把握するためには、使用量(立方メートル)の推移に注目するのがポイント。金額だけを見ると、原料費調整額の変動で増減が分かりにくくなることがある。
二人暮らしのガス代を下げる節約術
お風呂の使い方を工夫する(月1,000円から2,500円の効果)
ガス代の約60%から70%を占めるのが給湯(お風呂・シャワー)だ。以下の工夫で大幅な節約が見込める。
- 入浴のタイミングを近づけて追い焚きを減らす
- 浴槽にフタや保温シートを使ってお湯の温度低下を防ぐ
- 節水シャワーヘッドに交換する(水量30%から50%カット)
- シャワーの時間を意識的に短くする(1分短縮で月約150円から200円の節約)
- 半身浴にしてお湯の量を減らす
この中でいちばん手間がかからないのが、シャワーヘッドの交換だ。工具なしで取り付けられる製品が多く、水道代とガス代の両方に関わる部分なので試す方が多い。
ガス会社やプランを見直す(月500円から3,000円の効果)
都市ガスの場合は、ガス自由化で参入した新ガス会社への乗り換えや、電気とのセット割を検討しよう。プロパンガスの場合は、ガス会社の比較サービスを使って適正価格のガス会社に切り替えることで、月1,000円から3,000円程度の節約ができるケースがある。
キッチンでの工夫(月300円から800円の効果)
調理でのガス消費を減らすポイントは以下の通り。鍋にフタをして加熱する(加熱時間約25%短縮)、電子レンジを活用して下ゆでや温め直しをする、まとめて調理して作り置きする、炎が鍋底からはみ出さないように火力を調整する、食器洗いの際にお湯の温度を下げるか水洗いにする、といった対策が有効だ。
電気とガスのセット契約を活用する(年間1,000円から3,600円の効果)
東京ガスや大阪ガスなどでは、電気とガスをまとめるセットプランでセット割が適用される。金額は月100円から300円程度だが、年間ではまとまった額になる。請求がひとつにまとまるので管理がラクになるメリットもある。

二人暮らしのガス代に関するよくある質問
Q. 二人暮らしでガス代が月8,000円は高い?
全国平均が約4,663円なので、かなり高めの水準。都市ガスの場合は使い方に問題がある可能性が高く、お風呂の追い焚き頻度や給湯温度を確認してみよう。プロパンガスの場合は冬場なら平均的な範囲に入ることもあるが、ガス会社の従量単価が相場より高い可能性も考えられる。
Q. 二人暮らしのガス代を月3,000円以下にできる?
都市ガスで、夏場にシャワーのみの生活スタイルであれば月3,000円以下も十分可能だ。ただし冬場に3,000円以下を維持するのはかなり厳しい。年間トータルで節約を考えるほうが現実的だ。
Q. 二人暮らしで都市ガスとプロパンガスの差はどのくらい?
同じ使用量の場合、プロパンガスは都市ガスの約1.5倍から2倍の料金になることが多い。二人暮らしで月の使用量が20立方メートル(都市ガス換算)の場合、都市ガスなら月4,000円から5,000円、プロパンガスなら月7,000円から9,000円程度が目安だ。年間では3万円から5万円もの差になることがある。
Q. 同棲を始める前にガスについて確認すべきことは?
物件のガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)を必ず確認しよう。特にプロパンガスの物件は料金が高くなりがちなので、光熱費を含めた生活費の計画に影響する。また、ガスコンロ付きかどうか、給湯器の種類(追い焚き機能の有無)なども事前にチェックしておくと安心だ。物件情報はSUUMO(https://suumo.jp/)などで設備欄から確認できる。

まとめ
二人暮らしのガス代の全国平均は月額約4,663円、年間で約55,956円(総務省「家計調査」2025年平均)。季節によって月2,500円から8,000円程度の幅で変動し、特に冬場の給湯に使うエネルギーが大きく影響する。
節約で最も効果が大きいのは、追い焚きの回数を減らすことと、プロパンガスの場合はガス会社の変更だ。入浴のタイミングを合わせる、節水シャワーヘッドを導入する、鍋にフタをして調理するなど、日常のちょっとした工夫の積み重ねで月1,000円から3,000円程度の節約が見込める。
ガス料金の適正価格はエネピ(https://enepi.jp/)で無料診断できる。また、資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/)でも、家庭でできる省エネのヒントが多数掲載されている。まずは今月のガス代と平均を比べてみよう。


