洗濯機や乾燥機は毎日使う家電だけに、電気代への影響は意外と大きいものです。特に乾燥機能を毎日使う家庭では、年間の電気代が1万円以上になることも珍しくありません。共働き世帯や梅雨の時期には乾燥機能のありがたみを感じつつも、「電気代がどのくらいかかっているのか」を気にしている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、洗濯機・乾燥機の電気代の目安と、すぐに実践できる節約テクニックを解説します。ヒートポンプ式とヒーター式の違いについてもわかりやすく説明するので、洗濯乾燥機の購入を検討している方にも役立つ内容です。

洗濯機・乾燥機の電気代はどのくらい?
洗濯のみの電気代
洗濯のみ(乾燥なし)の1回あたりの電気代は以下のとおりです。洗濯だけであれば、電気代の心配はほとんどいりません。
| 洗濯機のタイプ | 1回あたりの電気代 | 毎日使った場合の月額 | 年間の電気代 |
|---|---|---|---|
| 縦型洗濯機 | 約2〜3円 | 約60〜90円 | 約730〜1,095円 |
| ドラム式洗濯機 | 約2〜3円 | 約60〜90円 | 約730〜1,095円 |
洗濯のみであれば、年間でも1,000円前後と非常に安い家電です。問題は次に紹介する「乾燥機能」を使った場合です。
乾燥機能を使った場合の電気代
洗濯+乾燥まで行うと、電気代は一気に跳ね上がります。乾燥機能の電気代は洗濯の10倍以上になることもあり、乾燥方式によって金額に大きな差があります。
| 乾燥方式 | 1回あたりの電気代 | 毎日使った場合の月額 | 年間電気代 |
|---|---|---|---|
| ヒートポンプ式(ドラム型) | 約20〜30円 | 約600〜900円 | 約7,300〜10,700円 |
| ヒーター式(ドラム型) | 約46〜60円 | 約1,380〜1,800円 | 約16,800〜22,100円 |
| 縦型洗濯乾燥機 | 約60〜70円 | 約1,800〜2,100円 | 約21,900〜25,500円 |
乾燥方式によって年間の電気代に1万円以上の差が出ることがわかります。毎日乾燥機を使う家庭にとって、この差は見逃せません。
すぐに買い替えられない場合でも、乾燥にかかる時間を短くできれば電気代は下がります。洗濯物と一緒に入れて空気の通り道を作るドライヤーボールは、そうした時短の工夫として使われているアイテムです。

ヒートポンプ式とヒーター式の違いを詳しく解説
乾燥方式の違いを理解すると、洗濯乾燥機を選ぶときの判断がしやすくなります。
ヒートポンプ式の仕組みと特徴
ヒートポンプ式は空気中の熱を活用して衣類を乾かす省エネ方式です。エアコンの暖房と同じ原理で、ヒートポンプユニットを使って少ない電力で効率よく温風を作り出します。
- 消費電力が少なく、電気代が安い(1回約20〜30円)
- 衣類の傷みが少ない(約60℃の低温乾燥のため縮みにくい)
- 乾燥時に室温が上がりにくい(夏場でも快適)
- 除湿しながら乾かすため仕上がりがふんわり
- 本体価格はヒーター式より高め(20〜30万円台が中心)
ヒーター式の仕組みと特徴
ヒーター式は電気ヒーターで直接空気を加熱して乾かす方式です。ドライヤーのイメージに近い仕組みで、構造がシンプルな分、本体価格は安めです。
- 消費電力が大きく、電気代が高い(1回約46〜60円)
- 高温(約80℃以上)で乾燥するため衣類が縮みやすい
- 乾燥時に室温が上がりやすい(夏場は暑くなる)
- 排水タイプの場合、排水経路のホースが必要
- 本体価格はヒートポンプ式より安い(15〜25万円台が中心)
ヒートポンプ式とヒーター式の比較表
| 比較項目 | ヒートポンプ式 | ヒーター式 |
|---|---|---|
| 1回あたりの電気代 | 約20〜30円 | 約46〜60円 |
| 年間電気代(毎日使用) | 約7,300〜10,700円 | 約16,800〜22,100円 |
| 乾燥温度 | 約60℃(低温) | 約80℃以上(高温) |
| 衣類への負担 | 少ない | 大きい |
| 本体価格 | 高め | 安め |
| 室温への影響 | 小さい | 大きい |
毎日乾燥機能を使う家庭なら、ヒートポンプ式の方が年間で約1万円以上電気代が安くなります。本体価格の差は2〜3年の使用で十分回収できる計算です。
洗濯機・乾燥機の電気代を節約する8つのテクニック
テクニック1:まとめ洗いで回数を減らす
洗濯回数を減らすのが最もシンプルな節約法です。少量で何度も洗うより、容量の7〜8割を目安にまとめ洗いした方が、電気代・水道代ともに節約できます。資源エネルギー庁もまとめ洗いを省エネ策の一つとして推奨しています。
テクニック2:乾燥前にしっかり脱水する
脱水が十分でないまま乾燥を始めると、乾燥時間が長くなり電気代が増えます。脱水の回転数を上げるか、脱水時間を長めに設定することで、乾燥にかかる電力を削減できます。乾燥時間が10分短くなるだけでも、毎日の積み重ねで年間の電気代に差が出ます。
テクニック3:乾いたバスタオルを入れる
乾燥中に乾いたバスタオルを1枚入れると、タオルが衣類の水分を吸収して乾燥時間を短縮できます。特に少量の洗濯物を乾燥する際に効果的なテクニックです。
テクニック4:フィルターのこまめな掃除
乾燥フィルターにホコリがたまると乾燥効率が落ち、余計な電力を消費します。フィルターの掃除は毎回行うのが理想です。フィルターが目詰まりすると乾燥時間が1.5倍以上に延びることもあるため、地味ですが効果は大きいです。
テクニック5:夜間電力を活用する
時間帯別料金プランに加入している場合、電気代が安い夜間や早朝にタイマーをセットして洗濯・乾燥を行うことで、電気代を抑えられます。深夜電力の単価は昼間の半分以下になるプランもあるため、オール電化住宅では特に効果が大きいです。
洗濯機側にタイマー機能がない場合でも、コンセントに挟むタイマーを使えば通電の時間帯をコントロールできます。古い機種を使い続けている家庭で選ばれている方法です。

テクニック6:天日干しと乾燥機の併用
毎回フル乾燥するのではなく、晴れの日は天日干し、雨の日だけ乾燥機という使い分けをするだけで、乾燥機の使用頻度を大幅に減らせます。週に3回乾燥機を使う回数を減らすだけで、年間で約3,000〜5,000円程度の節約効果があります。
テクニック7:洗剤の量を適正にする
洗剤を入れすぎるとすすぎ回数が増え、電気代と水道代の両方が無駄になります。洗剤パッケージに記載された適正量を守りましょう。すすぎ1回タイプの洗剤を選ぶのも節約に効果的です。
テクニック8:お風呂の残り湯を活用する
洗いの工程にお風呂の残り湯を使うと、水道代の節約になります。お湯で洗うことで汚れ落ちも良くなります。ただし、すすぎは衛生面を考えて水道水で行いましょう。ドラム式洗濯機でも残り湯ポンプに対応しているモデルがあります。
洗濯乾燥機を買い替える際のポイント
記事執筆時点の洗濯乾燥機を選ぶなら、以下のポイントをチェックしましょう。
ドラム式と縦型の選び方
| 比較項目 | ドラム式 | 縦型 |
|---|---|---|
| 乾燥の電気代 | ヒートポンプ式なら安い | 高い(ヒーター乾燥) |
| 洗浄力 | やや劣る(たたき洗い) | 高い(もみ洗い) |
| 水道代 | 少ない(たたき洗いで少水量) | やや多い |
| 設置スペース | 広め(ドア開閉スペースも必要) | コンパクト |
| 本体価格 | 高い(15〜30万円台) | 安い(5〜15万円台) |
| 衣類の傷み | ヒートポンプなら少ない | 乾燥時は傷みやすい |
毎日乾燥機能を使うなら、ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機が電気代の面ではもっともコスパが良い選択です。乾燥をほとんど使わないなら、洗浄力の高い縦型で十分です。
買い替えの目安
- 購入から7〜10年以上経過している
- 乾燥に以前より時間がかかるようになった
- 異音・異臭がするようになった
- 脱水がしっかりできなくなった
- 修理部品の保有期限が切れている
ただし「乾燥に時間がかかる」原因が、洗濯槽の裏側にたまった汚れやカビだったというケースもあります。買い替えを決める前に、一度洗濯槽クリーナーで洗浄してから様子を見ると判断しやすくなります。

ガス乾燥機(乾太くん)との比較
電気の乾燥機以外に、ガス乾燥機(リンナイの「乾太くん」が代表的)という選択肢もあります。
| 比較項目 | ヒートポンプ式電気乾燥 | ガス乾燥機(乾太くん) |
|---|---|---|
| 1回あたりのコスト | 約20〜30円 | 約30〜50円(ガス代) |
| 乾燥時間 | 約2〜3時間 | 約1時間 |
| 仕上がり | ふんわり | 非常にふんわり(高温大風量) |
| 設置 | 洗濯機と一体 | 別置き(ガス配管工事必要) |
| 初期費用 | 洗濯機に含まれる | 本体+工事で10〜15万円 |
乾太くんは乾燥時間が短く仕上がりの評価が非常に高いですが、設置にガス配管工事が必要で初期費用がかかります。賃貸住宅では設置が難しいケースが多いため、持ち家向けの選択肢と言えます。
よくある質問
Q. 洗濯機の電気代は1回いくら?
A. 洗濯のみなら約2〜3円です。乾燥まで行うと、ヒートポンプ式で約20〜30円、ヒーター式で約46〜60円が目安です。
Q. ドラム式と縦型、どっちが電気代は安い?
A. 洗濯のみならほぼ同じです。乾燥まで使う場合は、ヒートポンプ式のドラム式が圧倒的に安くなります。
Q. 乾燥機能を毎日使うのは衣類に悪い?
A. ヒーター式は高温乾燥のため衣類が傷みやすく、縮みの原因にもなります。ヒートポンプ式は低温乾燥のため、衣類への負担は比較的少ないです。デリケートな衣類は「おしゃれ着コース」や「低温乾燥」を活用しましょう。
Q. 洗濯機の消費電力を確認する方法は?
A. 洗濯機の側面や背面に貼ってある仕様ラベルに「定格消費電力」が記載されています。また、取扱説明書やメーカーの公式サイトでも確認できます。
まとめ:洗濯機・乾燥機の節約は乾燥方式がカギ
- 洗濯のみの電気代は微々たるもの(年間約1,000円)。節約のポイントは「乾燥」にある
- ヒートポンプ式とヒーター式で年間1万円以上の電気代差がある
- まとめ洗い・フィルター掃除・夜間電力の活用・天日干しとの併用で日々の節約が可能
- 毎日乾燥を使う家庭はヒートポンプ式ドラム式洗濯乾燥機がおすすめ
洗濯機・乾燥機の電気代節約は、日々の使い方の工夫と、乾燥方式の選択がカギを握ります。まずはフィルター掃除やまとめ洗いなど、今日からできるテクニックを取り入れて、電気代を賢く抑えていきましょう。洗濯にかかる電気代の詳細は日本電機工業会の資料も参考になります。


