飲食店や小規模店舗を経営していると、毎月の電気代が大きな負担になっていませんか。業務用冷蔵庫・エアコン・照明など、店舗の電気代は家庭の数倍にのぼることも珍しくありません。
この記事では、飲食店・店舗向けの電力会社の選び方や、業務用電気代を削減するための具体的な方法を解説します。電力会社の見直しだけで電気代を20%以上削減できた事例もあるので、コスト削減を目指す店舗オーナーの方はぜひ参考にしてください。

飲食店・店舗の電気代はいくらかかる?
飲食店の電気代は、店舗の規模や業態によって大きく異なります。一般的な目安は以下のとおりです。
- 小規模な喫茶店・バー:月3〜8万円程度
- 一般的な飲食店(30席程度):月5〜15万円程度
- 大規模な飲食店・チェーン店:月10〜30万円以上
飲食店の電気代が高くなる主な理由は、24時間稼働する業務用冷蔵庫・冷凍庫、営業時間中フル稼働するエアコン、厨房機器の電力消費です。特に夏場はエアコンと冷蔵設備の電力消費が重なり、電気代が跳ね上がります。
飲食店の電気契約は「2種類」ある
飲食店の電気契約は通常、2種類に分かれています。
- 電灯契約(従量電灯):照明やコンセントに使う電気。家庭と同じ契約タイプ。
- 動力契約(低圧電力):業務用エアコン・冷蔵庫・厨房機器など、三相200Vの設備に使う電気。
電灯と動力の両方を見直すことで、トータルの電気代を大幅に削減できる可能性があります。どちらか一方だけでなく、両方セットで見直すのがポイントです。
契約の見直しと並行してやりやすいのが、店内の温度ムラを減らすことです。厨房まわりと客席で体感が違う店舗では、空気を循環させるサーキュレーターを置いてエアコンの設定温度を無理に下げずに済ませる、という運用がよく取られています。
飲食店の電気代のうち、約4割がエアコン、約3割が冷蔵・冷凍設備、残りが照明・厨房機器と言われています。エアコンと冷蔵設備の省エネ対策が最も効果的です。
飲食店・店舗向け電力会社の選び方
電灯と動力の両方に対応しているか
飲食店が電力会社を選ぶ際に最も重要なのは、電灯契約と動力契約の両方を取り扱っているかどうかです。新電力の中には家庭用(電灯)のみ対応で、動力契約には対応していない会社もあります。両方に対応している会社を選ぶと、まとめて管理できて便利です。
使用量に応じた料金プランがあるか
飲食店は家庭と比べて電気の使用量が多いため、使用量が多いほど単価が安くなるプランが有利です。三段階料金よりも一律単価のプランを選ぶと、大量に使っても単価が上がらず経済的です。
法人向けサポートがあるか
法人向けの電力会社は、請求書の発行・複数店舗の一括管理・省エネコンサルティングなどのサポートが充実しているところもあります。多店舗展開している飲食チェーンの場合、一括契約で割引が適用されるケースもあります。
解約条件を確認する
法人向けプランは個人向けプランと比べて、契約期間や解約条件が厳しい場合があります。契約前に解約金の有無や最低利用期間を確認しておきましょう。

飲食店・店舗におすすめの電力会社
記事執筆時点で、飲食店・店舗向けにおすすめの電力会社を紹介します。料金は変動するため、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
東京ガスの電気(法人向け)
東京ガスは法人向けの電灯・動力プランを提供しており、都市ガスとのセット割引で電気代とガス代をまとめて削減できます。飲食店にとってガスと電気の両方が安くなるのは大きなメリットです。東京電力エリアで利用可能です。
ENEOSでんき(法人向け)
ENEOSでんきは法人向けプランも提供しており、使用量が多い店舗ほど単価が安くなる料金設計が特徴です。全国対応(沖縄・離島を除く)で、複数店舗の一括契約にも対応しています。
CDエナジーダイレクト
東京電力エリアの店舗向けに、電灯と動力の両方のプランを提供。中部電力と大阪ガスの合弁会社で、法人向けの省エネ提案や業務支援サービスも利用できます。
ハルエネでんき
法人・店舗向けに特化した新電力です。飲食店向けの動力プランがあり、大手電力会社からの切り替えで基本料金・電力量料金の両方が割引になるケースがあります。全国対応で、訪問営業による料金診断も実施しています。
大阪ガスの電気(法人向け)
関西電力エリアの店舗向けに、電灯・動力の両プランを提供。関西エリアの飲食店は、大阪ガスのガスと電気をまとめることでセット割引の恩恵を受けられます。
法人向けの電力会社選びでは、営業担当者から提案を受けることが多いですが、複数社から見積もりを取って比較することが重要です。1社だけの見積もりで決めると、もっと安い選択肢を見逃す可能性があります。
飲食店の電気代を削減する具体的な方法
業務用エアコンの省エネ対策
飲食店の電気代の約4割を占めるエアコンの対策は効果絶大です。
- 風量設定を「自動」にする:常に「強」だと余分な電力を消費
- フィルターを2週間に1回清掃する:汚れたフィルターは消費電力を約10%増加させる
- 設定温度を1度緩める:冷房なら28度、暖房なら20度を目安に
- 入口にエアカーテンや暖簾を設置する:外気の侵入を防いでエアコン効率アップ
照明のLED化
まだLED照明に切り替えていない店舗は、LED化するだけで照明の電気代を最大50〜60%削減できます。初期投資はかかりますが、1〜2年で元が取れるケースがほとんどです。
店舗用の照明は、ダウンライトやベースライトなど業務用の規格に合ったものを選ぶ必要があります。まずは使用本数の多い場所から順に入れ替えていく方法が取られています。
冷蔵・冷凍庫の見直し
古い冷蔵・冷凍庫は新型に比べて消費電力が大きいです。10年以上使っている場合は、最新の省エネ型に買い替えることで電気代を年間で数万円節約できる可能性があります。
電力会社への見積もり依頼
複数の電力会社に見積もりを依頼して比較するのが最も確実な方法です。エネチェンジBizなどの法人向け電力比較サービスを利用すれば、無料で複数社の見積もりを一括取得できます。

よくある質問(Q&A)
Q. 飲食店でも個人契約の電力会社を使える?
電灯契約については個人向けの電力会社を使えるケースもあります。ただし、動力契約は法人・事業者向けプランが必要になるため、両方に対応している電力会社を選ぶのがおすすめです。
Q. テナントでも電力会社を変えられる?
ビルの一括受電契約でなければ、テナントでも個別に電力会社を選べます。ビルオーナーや管理会社に確認して、個別契約かどうかを聞いてみましょう。
Q. 飲食店の電気代はどこまで下げられる?
電力会社の見直しだけで5〜20%程度、省エネ対策と合わせると20〜30%程度の削減が現実的な目標です。大規模な設備投資(太陽光発電の導入など)を行えば、さらに削減できる可能性もあります。
まとめ:飲食店の電気代は電力会社の見直しから始めよう
飲食店・店舗の電気代削減は、電力会社の見直しが最も手軽で効果的な第一歩です。電灯と動力の両方に対応している電力会社を選び、複数社から見積もりを取って比較しましょう。
それに加えて、エアコンの省エネ対策・照明のLED化・冷蔵設備の見直しを行うことで、トータルで20%以上の電気代削減も十分に実現可能です。
まずは現在の電気代の明細を確認して、どこにコストがかかっているかを把握するところから始めてみてください。



